パレスチナポスター展「VISIT PALESTINE PROJECT」

 

パレスチナポスター展「VISIT PALESTINE PROJECT」

1948年から現在まで終わらない戦争が続いているパレスチナ。ガザ地区は16年もの間イスラエルに管理支配され、絶え間ない空爆攻撃により数千人の民間人が被害を受け続けています。ガザの悲惨な状況を少しでも多くの方に知っていただき、支援を募るため、1970年代から現在までのパレスチナ戦争抗議ポスター原画を展示します。

この展示会の目的は、イスラエルのシオニスト政府によるパレスチナへの果てしない占領と不正が続いていることを広く知ってもらうことです。

会場ではポスターカタログを販売し、関連本のブックフェアを開催します。

パレスチナの人々の生活と尊厳を取り戻すため、私たちに何ができるのか考えてみませんが。

ぜひ展示会場へお越しください。

【解題:なぜ “VISIT PALESTINE”なのか?】

 豊かに繁るオリーブの木。建ち並ぶ家々。ムスリムの聖地、岩のドーム。「VISIT PALESTINE」と大きく記されたポスターは、1936年、ユダヤ人国家建設を目指すシオニズム運動のなかでフランツ・クラウスがデザインし、シオニスト育成機関であるパレスチナ観光協会によって印刷された。

 1936年から1948年にかけて、この地に移り住んだユダヤ人は約20万人にのぼる。旧委任統治国の英国から対処を託された国連は、ユダヤ人国家とアラブ人国家の分割を定めたが、それは永くこのパレスチナに暮らしてきた人々にとって、なんの合意もない一方的な決定だった。

 1948年の建国以降、国連が提示した「国境線」をも越えて不法な占拠を拡大するイスラエル国家の圧倒的な暴力と、パレスチナ人の抵抗は、オリーブの育つ土地に凄惨な歴史をもたらした。

 パレスチナ暫定自治政府とイスラエル国家の相互承認を定めたオスロ合意を受けて、1995年「VISIT PALESTINE」はイスラエルのデザイナー、デビッド・タルタコーバによってほぼオリジナルのまま刷り直された。無許可の複製物も含めて街角に貼られたポスターは、楽観的な平和のムードも束の間漂わせたが、土地と生命と尊厳を奪われ続けてきた人々にとって、なによりそれはシオニズムの欺瞞を証明する格好の歴史資料だった。

「ここは砂漠だった。未開発以下だった。何もなかった」(イスラエル元首相、エシュコル)

「パレスチナ人などいなかった。そんな人間はもとから存在しなかった」(同、メイア)

 歴史を改竄するこれらの言説を、59年ぶりに陽を浴びたポスターは、鮮やかに否定した。そして「VISIT PALESTINE」は、イスラエル国家に対する抵抗の表現となった。


【about VISIT PALESTINE PROJECT】
VISIT PALESTINE PROJECTの現在地 | Relations (リレーションズ)批評とメディアの実践のプロジェクト (relations-tokyo.com)
https://www.instagram.com/visit.palestine_project