この度オルタナティブスペースコアではロジャー・ジャヌワタによる個展「紳士服とダンスしませんか?」を開催します。
本展覧会は2022年10月にWHITEHOUSEで開催された展覧会の巡回展であり、ロジャー・ジャヌワタによる広島での初個展となります。
未だその実態が謎に包まれた42歳東京在住。しかし彼の作品をどこかで目にした人も多いはず。一度見たら忘れられないペインティング作品と、インスタレーションによって構成されたロジャー独自の世界を是非ご体験ください!
1/27(金)ー2/5(日)
金土日曜のみオープン
13:00-18:00
1/28(土)18:00-20:00
オープニングレセプション
food by Carlos
ー展覧会に寄せてー
ロジャーはカスなくせに、みんなに愛されている。
それはおそらく彼の芸術の中の「何か」に魅了されているからだろう。
しかし誰も未だかつてその「何か」を見た者はいない。ドーナツの穴的存在と言われる所以だろう。
水野俊紀 (オルタナティブスペースコア)
「もふもふのぬいぐるみが堪らなく好きだ」と彼は言った。
溺愛すればするほど、体はうす汚れていく。
ふわふわだった毛は束になり、いずれ変わり果てた姿になる。
それを思うといたたまれず、愛ゆえに自分では持てないのだという。
彼の絵に広がる世界は、切なくて悲しくて優しい。
松波静香(gallery G)
かつてチェーンスモーカーだった彼は、タバコがキツいからという理由でフィルター近くのタバコの外壁に穴をあけてその穴を中指の第一関節で塞いで吸うという謎の吸い方をしていた。そして中指の第一関節はヤニ色に染まり。彼はあっさりタバコを辞めた。
カスという地点から世の中を眺める彼のまなざしにはまるで意味が無いようで、全てを見透かしているような気もさせる。永遠の浅瀬のようでもあり底なし沼のようでもある。
そして彼は今日も酒でごまかす。個展おめでとう。
カルロス
ロジャー・ジャヌワタと初めて会ったのはいつだろう?
一言も言葉を交わす前に絵を見せられた記憶が彼との最初の記憶。
そこから未だ会話はないけど、定期的に絵を送って来てくれる。
気づいた時には彼の絵の虜になっていました。
理由は分からないけど…多分、彼の中にしか存在しない世界にどっぷり浸かっているのだと思います。個展おめでとう!!
河村康輔 (コラージュ・アーティスト)
エアマックスに夢中だった中1の冬に、ナイキのマークを真似て描くのが流行った。
武田くんの描くナイキがマジかっこよくて、矛盾しているのだけど、ナイキよりナイキっぽかった。
そしてロジャー・ジャヌワタの絵を見るたびに武田くんのあのナイキを思い出す。
ジャヌワタが描くにんげん、にんげんよりにんげんっぽいから。
トモトシ (アーティスト、トモ都市美術館)
私はあるラッキーな体験したことがある。それは何人かでジャカルタの海を、ただぼんやりと眺めている時だった。
キャーーーという東京ドームから漏れる声援のような響きと共に、浜辺が揺れた。
水と草を求めた動物の移動が起きたのかと思ったが、私たちのうちの1人の周りに大量の人間が押し寄せたのだ。
それから私は彼らのカメラのシャッターを何十台と押すことになる。ジャヌワタ生誕の瞬間だ。
エリイ (アーティスト、文筆家、Chim↑Pom from Smappa!Group)
ロジャー、君の描く世界が大好きだ。あの世界の住人になりたい、あの顔になりたいと思う程に。
君の絵を観るといずれにしても幸せに包まれるんだ。またパリにある高円寺のような街で会おう。
中村穣ニ (画家)
数年前から気になっていたアーティストです。
過去に一度だけ絵画作品を見たことがあり、妙なマチエルだなと思ったら、画面にビッシリと知育粘土を貼り付けていました。
今回このような作品が展示されるかはわかりませんが、ロジャーの作風はユルさを裏腹に、ローブロー・アートならではの前提を共有していない不気味さがあり、「思いがけない小さな事件」の予感を醸し出しています。
マーケットやシーンが過渡期を迎えると、そういう表現性を持つアーティストがカルト的な支持を集めることを度々目撃することがあるので、個人的に非常に楽しみにしています。
松下徹 (アーティスト、キュレーター、サイドコア)
彼の高解像度な感受性で見た世界は、私には見えていない世界。
彼のフィルターを通した世界を疑似体験できる作品達はきっと癖になるはず!
山川春奈 (イラストレーター)
謎のアーティスト、ロジャー・ジャヌワタの個展では、アート、コミック、プランドローイングが出展され、
思考の自由さに目を奪われるだろう。
和多利浩一 (キュレーター、ワタリウム美術館)
デザイン:涌井智仁
出展作品一部 (撮影:WHITEHOUSE)